多言語版おくすり手帳普及プロジェクト
1990年代、「市民対行政、消費者対企業」という対立型の社会が続きました。その後市民と行政との連携が進み、2000年以降には、多様化する社会のニーズから社会貢献(CSR)を理念とした企業が多くなりました。現在、豊かな社会づくりをめざすためにNPO・企業・行政・大学・民間等分野を超えた協働や協力の関係づくりが求められています。共生のまちづくりネットワークよこはまでも団体設立当初より、様々な業種とのネットワークや協働事業を実施することを目指してきました。
株式会社大川印刷では、すでに「高齢者向けの横浜発オリジナルおくすり手帳」の開発に取り組んでいました。この会社の学生インターンから多言語版おくすり手帳の発案があり、共生のまちづくりネットワークよこはまのよこはま国際フォーラム「横浜が目指す外国人が住みやすいまちは、どのように実現するのか」に提案者として参加していただきました。
これをきっかけに、2015年12月より共生のまちづくりネットワークよこはまとの協働事業として新たに「多言語版おくすり手帳普及プロジェクト」を開始しました。
地域では文化や習慣の違いや言葉が壁となり、生活に不安を抱えている外国人市民が大勢暮らしています。特に医療分野においては、症状を医師に伝えることが難しいことや医師からの治療の進め方、お薬の説明、副作用等について理解が難しいこと等が課題として挙げられています。さらに、旅行先、地震や緊急災害の発生時において、救護する側に自分の健康状態や常備薬、アレルギー等について伝えることも難しい現状です。
株式会社大川印刷、ジャパンハウジング株式会社、共生のまちづくりネットワークよこはまの三者は、お互いの「強み」を活かし「win-win」の信頼関係を築きながら、外国人市民が安心して医療を受けれる仕組みをつくるために、医療及び防災に視点を置いた「多言語版おくすり手帳」を作成し、その普及促進を図ります。